公認学童コーチ養成講習会の7つのプログラム紹介。今回は連載5「 コーチングとティーチング/チームマネジメント」です。講師は清水隆一氏(清水隆一コーチングカレッジ(株)代表)が務められました。
清水氏は早実・早大でキャプテンを務め熊谷組でプレー。そして1992年~休部まで熊谷組監督、2001年花咲徳栄高校の甲子園初出場を総監督として導いた方です。
以下トピックスです。
【ティーチングとは?】
基本を正しい知識や方法に基づいて教えること。
【コーチングとは?】
目的(=試合に勝つこと)を持った人を導くこと。プレーヤーの意志・目的を尊重し、目的達成のために手助けすることがその役割。教えすぎない。
例)木で表すと…
ティーチング=幹。
コーチング=枝・葉。
信頼関係=根。
例)捕球で表すと…
ティーチング=予測してグラブを出し、ポケットを見せてつかむ。
コーチング=両手で捕る。正面で捕る。などなど。
●一方的な支配型(指示命令型)の指導はやめる
・相手とうまくコミュニケーションが取れない
・相手のタイプや価値観を見分けられない。
・誰にでも同じ方法で教えてしまう
・自分のやり方を押し付ける
・過度の管理(教えすぎ、指示しすぎ、結果を怒る)
⇒自発性、自立性、を奪う。チャレンジを阻害してしまう。
●協調型(質問型)の指導に
・自発的な行動を引き出す(コミュニケーションスキルを用いて)
・行動を起こさせ、個々の潜在能力を引き出す
⇒過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる。
●コーチングのスキル
1.質問
オープンクエスチョン(5W1H) > クローズドクエスチョン(Yes or No)
2.ペーシング
ヴァーバル(言語)例:相づち・同じ言葉を繰り返す > ノンヴァーバル(非言語)例:うなずき・声のトーン
3.提案
4.フィードバック
●自発性を引き出したい
・個人差を容認し、立場を尊重する指導者の管理態度(環境)から生まれる
・選手の気持ちに共感し否定せずに受け入れようと努力する。⇒聴かれると安心する
・選手は安心するとレセプター(聴く耳)を開く
●潜在能力を引き出したい
・良いところを更に伸ばす。同時に悪い一面が出るのは当たり前で受け入れる。
・共通認識をもち、考え、工夫する環境をつくる
●コーチングの基本
・基本理念:個人差の容認、立場の尊重
・具体的な行動:声かけ、問い掛け、観察、傾聴、承認、共感
清水氏は現在、企業の管理職研修のコンサルティングをされているということから、講演は自身の経験やエピソード、心理学を交えた論理思考など、最も長時間の講座でしたが、飽きることない幅広い話題で濃厚でした。また時々、ゼロポジションや捕球ドリル、打撃ドリルなど技術面も少し紹介してくれて、その理論は大変学びの多い講座でした。
次回の連載6は「リスクマネジメント・安全管理」です。
Comentarios